スパイダーマンの複雑すぎる権利問題

映画
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2026年夏、「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」が公開される。「HOME」シリーズが幕を下ろし、新章がスタートする。ところでスパイダーマンというキャラクターは非常に複雑な権利問題を有していることをご存知だろうか。少し前にUSJのスパイダーマンのアトラクションが閉鎖したのも、この権利問題が絡んでいるだろう。今回はそんなスパイダーマンの権利問題について書いていく。

世界一有名なヒーローの複雑な権利問題

スパイダーマンの映画はめちゃくちゃ多い。単にシリーズが長いというわけではなく何回も作り直している。アベンジャーズには興味あるけどスパイダーマンは関係あるの?と疑問に思う人も多いだろう。今回はそれに対する答えも含めて解説していく。

そもそもの発端

1997年に業績の悪化により倒産した「マーベル・コミック」は1998年にマーベル・エンターテイメントとして再稼働したばかりであった。その際に、なんとかして利益を出そうとスーパーヒーローたちの映像化権を切り売りし、興行収入の一部とグッズの売上の一部を受け取る契約をした。

この時にソニー・ピクチャーズがスパイダーマンの映像化権を買い取ったのだ。当時のマーベル側からすれば映画版はコミックやグッズを売るための手段にすぎず、映画はある種の広告のようなものであった。ちなみに、この時に「X-MEN」の映画化権を20世紀フォックスに渡している。

マーベルの誤算とMCU発足

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映像化権を手に入れたソニーや20世紀フォックスは早速、映画を作り始めた。2000年に20世紀フォックスが「X-MEN」を、2002年にはソニーが「スパイダーマン」を作成。

すると、まさかのこの二つの映画が大ヒットする。そしてこの二つの映画をきっかけに2000年代以降の映画にはアメコミを原作とする映画が堂々と参入し、映画業界を先導することになる。

マーベルにとってはとんだ誤算。この勢いに乗るようにしてマーベルは自社スタジオを立ち上げ2008年にアイアンマンを制作。マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)を構成していく。

ディズニー介入とソニーの失墜

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2009年にディズニーがマーベルを買収。ちなみに余談にはなるが、2009年にディズニーが買収したため、MCU映画の中でもディズニーに買収される前にマーベルが作った「アイアンマン」(08)と「インクレディブル・ハルク」(08)はアマゾンプライムで見放題なのである。

マーベルスタジオはアイアンマンを筆頭にアベンジャーズシリーズで大ヒットを連発する。一方でソニーは「アメイジング・スパイダーマン」シリーズが思ったようにヒットを出せずシリーズ打ち切りとなる。

歴史的転機「MCU入り」

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勢いに乗るマーベルとしては人気キャラのスパイダーマンもなんとかしてMCUに組み込みたい。そこでソニーに話を持ちかける。

結果として、MCUへのスパイダーマン(トム・ホランド版)登場は、マーベル・スタジオがソニーから「借りる」形で実現し、映画1作ごとにソニーにロイヤリティ(興行収入の5%など)を支払う契約で合意。

2016年の「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」に満を持してスパイダーマンが登場。予告の登場シーンは何度見ても興奮する。

利益配分事件

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スパイダーマンの新シリーズ(ホームカミング)で大成功したディズニーが「スパイダーマンの利益を50%に引き上げることをソニーに要求する。

さすがのソニーもこれには抵抗をし、提携解消(つまりスパイダーマンをアベンジャーズに参加させないこと)をしようとする。世界はこの動きに大ブーイング

最終的に5%→25%で合意(共同出資)となりスパイダーマンはMCUに留まる。

その後の単独作品も、ソニーとマーベルの共同製作となっている。

SSUの野望

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結果として25%に引き上げられたソニーはやはり悔しい。スパイダーマン関連の実写映画化権は依然としてソニーが保有しているため、MCUのような世界観を共有した映画を作ることを構想する。

そして、スパイダーマンの人気ヴィランを主人公に据え、SSU(ソニー・スパイダーマン・ユニバース)として2018年に「ヴェノム」を製作しヒットに導いた。

期待とは裏腹に

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「ヴェノム」で大ヒットを飛ばし、2作目「ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ」ではMCUとの交錯が示唆される。

また3作目「モービウス」もスパイダーマンのヴィランが集結する「シニスターズ・シックス」が示唆されるなど盛り上がりがあったものの「マダム・ウェブ」で、例を見ない大コケ。結果として、SSUの打ち切りを表明し「クレイブン・ザ・ハンター」を最後に幕を下ろす。

個人的にモービウスくらいまではものすごくワクワクしたし、めちゃくちゃこの先の展開を楽しみにしていたからこそ、SSU打ち切りはショックな出来事だった。

これからの展開は?

2026年の夏に「スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ」が公開される。SSUが打ち切られた後の最初のスパイダーマン映画になる。またMCUでは「マルチバースサーガ」が山場を迎えている。だからこそMCUやスパイダーマンとヴェノムの絡みが出てきてもおかしくない!という流れになっている。

まとめ

利権関係は複雑でややこしいが、このおかげで感動が生まれたり、あらゆる可能性を考えて妄想が広がったりとなんだかんだ、良かった側面も多い。「ドゥームズデイ」や「シークレットウォーズ」でどんな展開が待っているのか非常に楽しみである。

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